タイトルがかなりくだらなさそうだったので、全く手に取ることすら無かった本なのですが、
ゲイリー・スミスや、マーケットの魔術師のデビット・ライアンがこの本を薦めていたので、この人たちが薦めるのならば良いのかもしれないと、薦めているのを知った途端に買った本です。(笑)
タイトルの200万ドルですが、一見すると「成功って自慢する割に2億円程度って.」と思ってませんか?
確かに現在の200万ドルだと2億円にもなりません。
ですが、1958年の頃だとすればどうでしょうか?
当時の為替レートは1ドル360円です。
為替レートを360円で計算すると7億円以上になります。
もちろん今とは物価が全く違います。
物価の上昇は何を基準にするかで全く違いますが、どう安く見積もっても数倍程度では無いでしょう。
これらを修正して考えると、
安く見積もっても今の数十億円、たぶん百億円以上の価値かもしれません。
そしてその200万ドルをニコラス・ダーバスが投資で儲けたのが僅か18ヶ月の間の事だとしたら?
そしてちょっと前まで、株には全く縁の無い人だとしたら?
ニコラス・ダーバスはもともとダンサーだったそうで、出演のギャラを株で貰う事になったことから人生が変わります。
ダーバスはダンサーとしてそれなりに成功していた人みたいで、世界公演の話も本の中で出て来ます。
その時に日本にも公演に来てて、持ち株が気になるので毎日株価を知らせる電報をブローカーに打って貰ってるのが、暗号みたいでスパイと疑われるエピソードはなかなか笑えました。
とにかく最初の投資を始めるきっかけが、
ギャラの代わりに受け取った株をそのまま放ったらかしだったのを思い出して、
なんとなく新聞を見てみたらわずか2ヶ月で8000ドルの利益に!
この儲けに気を良くしたダーバスは、口座を開いて株の取引を始めます。
ここからが彼の投資人生の始まりです。
投資を始めたのは良いのですが、それがもう悲惨なくらい失敗ばかり.
そしてその株式投資の内容なのですが、
「どんなに素人でも彼ほどヒドイ人もそうはいないんじゃないか?」と言うヘボっぷりです。
ホントにその頃のダーバスほどのカモはそうはいなかったんじゃないでしょうか?
とにかく何度も何度も失敗ばかり繰り返して損し続けます。
それでも本当に勉強熱心というか、執念というか、
投資の失敗の原因を考えて、一つ一つ改めて行きます。
そしてついに投資で成功するためのヒントを掴むのです。
もしかしたら単なるまぐれあたりで終わったかもしれない投資成果をひたすら検証して練り上げて行きます。
ニコラス・ダーバスの成功は投資の天才と言うよりも勉強の成果だと思います。
「天才じゃなくても投資で成功できる!」
わたしの様な凡人にはとっても心強い事です。
「私は株で200万ドル儲けた」は読み物として読んでも面白いのですが、
ダーバスのトレードの方法が詳しく語られているだけでなく、
その実際のトレードがチャートを添えて解説されているのはとても勉強になります。
ニコラス・ダーバスのトレードに臨む精神的な面だけでなく、実際のトレード手法もとても勉強になる1冊です。
そしてこの本は、投資初心者でも面白いし役に立つと思いますが、むしろある程度投資をやった事のある人に読んでもらいたい1冊です。
自分の投資について見直すきっかけになるのではないでしょうか?
「私は株で200万ドル儲けた」 ¥840
ニコラス・ダーバス